歯 の 噛み 合わせ 治し 方 割り箸
今日はSNSで書かせてもらいましたBDリクの転載です! 君をの続きを書いてたのですがキリリクも頂いたのでどちらを先に書こうか悩み中(^^;) リクが陛下の独白という事でしたのでこんな感じになりましたよろしければどうぞ〜 その日は雪のちらつくとても寒い日だった。 政務も終わりに近づき、早く君に会いたいと急ぎ書簡に目を通していた時の事。 「陛下……そこまで目を通されましたら、後宮にお戻りになっても宜しいですよ」 少し席を外していた李順が戻って来るなり、告げた言葉は何時もと何かが違う気がした。何かあったのだろうかと不安がよぎり問いかけた。 「何だ?
新【二人】8 陛下の本物の花嫁となって、数ヶ月。 私は疲れきっていた。 毎晩繰り返される夫婦の営み。 陛下と一緒にいれるのは嫌ではないけど、あんなにたくさんは疲れてしまう。 今日も朝から寝台に横たわる。 心配してくれる侍女さん達には悪いけど、元気な演技ももうできない。 陛下のことは大好きだけど、なんとかならないものかしら。 「お妃様・・・。陛下よりお届け物でございます。」 贅沢な果実やお菓子が届けられても、見る気も起こらない。 深くため息をつく。 侍女さんと入れ替わりに、女官長がやってきた。 驚いた私は慌てて起き上がると、ぐらっと、天地が回った。 「お妃様っ。」 咄嗟に支えてくれた女官長の腕の中で、私は意識を手放した。 気持ち悪さで目が覚めると、部屋には女官長と侍医さんがいて、深刻な面持ちで話し合っていた。 「ですから、早急に陛下に。」 その声に私は慌てた。 「陛下に何かあったのですか?」 私が声をかけると、一斉に皆が振り向いた。 女官長が柔らかい笑みで私に近づいて、寝台の前に跪いた。 「お妃様。おめでとうございます。」 「はい?」 「お妃様は、ご懐妊されております。」 「は?」 私が、ご懐妊?ご懐妊って、ご懐妊? 「陛下の赤ちゃん?」 「そうですよ。」 込みあげる嬉しさで涙が溢れる。 「本当に?赤ちゃんいるの?」 「はい。二ヶ月とのことです。」 「嬉しい・・・っ。」 泣き出した私の背を優しく撫でながら、女官長は物騒なことを言い出した。 「初めての陛下の御子ゆえ、狙われることは避けられません。警護を強化いたします。」 「あ、陛下はなんて?」 女官長はにっこり笑う。 「まだご存知ありません。お妃様からお話下さい。」 「あ、ありがとうございます。」 諸々の生活の注意をして、女官長達は帰って行った。 ・・・それを、私に言えというの? 別な意味で目眩を感じながら、陛下のお帰りを待つ。 なんて言おう。 喜んでくれるかな。 いつもより早く陛下が帰って来た。 「お帰りなさいませ。」 「夕鈴、体調が悪いって聞いたけど大丈夫?」 いきなり抱き上げられる。 「大丈夫です。離してー。」 「僕、心配だよ。」 そのまま寝台を目指す陛下。 まずいわ。 「陛下、お話があるんです!」 「話?なに?まさか子供ができたとか、言わないよね。僕いやだよ?」 「・・・・え?」 「だって、まだ・・・ゆーりんと、二人で、え?」 体が震える。 力が抜けていく。 嘘。 陛下、私の赤ちゃん要らなかった?
そういえばまだ李順との話が出ていない。 あの眼鏡、許さない。 さんざん臨時だから手を出すなとか言っていたくせに、 自分は例外か。 もう我慢ならない。 黎翔は目の前にいるのが夕鈴だとしっかり確認すると、 素早く上体を起こした。 そして両手で夕鈴の肩をつかんだ。 夕鈴は飛び上がってしまい、 その拍子で持ってきた茶器をお盆から落としてしまった。 「きゃー!ちょ、陛下、危ないじゃないですか!」 「君の話は聞きたくない」 「え? いや、話とかじゃなくて早く片付け…」 「だれにも渡さない」 「…!」 黎翔は肩に置いていた手を離し、 その手で夕鈴の両頬を包んだ。 見つめると、 夕鈴の丸い目の中に自分が映っているのが分かる。 ――そうだ。君は、私だけ見ていれば良い。 ぐっと引き寄せる。 他のことなど何も考えられないようにしてしまいたい。 どうなってもいい。 全部後で考えればいいんだ。 「夕鈴」 「陛下…?」 ほとんど唇が触れそうなほど近づいて、 そこで突然黎翔は膝に痛みを感じて止まった。 なにかが刺さるような鋭い痛みだ。 下を見ると、寝台に赤い染みが広がっていた。 「きゃー!!陛下、大変! すぐ消毒しないと!」 黎翔はぼんやりとじぶんの膝あたりを見ていた。 これは自分の血だ。 なぜ分かるかというと膝が痛い。 辺りに散らばっているのは茶器のかけらだった。 そういえば最初に夕鈴が茶器を落としたのだ。 そして痛い。 「夕鈴」 「大丈夫ですか陛下! 待っててください、今とりあえず水持って来るんで!」 蒼白な顔で慌てて出て行こうとする夕鈴の腕をつかんだ。 「いいよ」 「よくないですよ」 夕鈴は黎翔の意図を理解しかね、不満そうだ。 「ねえ夕鈴、 君はだれの奥さん?」 いよいよ訳が分からず、夕鈴は落ち着かない様子で答えた。 早く消毒しないと、傷口から化膿するかもしれないのに、 なにをこの人はのんびりしているのだろう。 「…? 陛下ですよ?臨時ですけど。 だからこそ心配して急いで手当てしようとしているんじゃないですか。 変なこと聞いてないでおとなしく待っててください!」 「そっか」 黎翔は満足したようにうなずいて、 夕鈴の手を離した。 夕鈴は結局何がなんだか分からないが、 今はそれを追及している場合ではない。 出血はまだ止まっていないのだ。意外と深いのかもしれない。 「李順さんと老師呼んできますから、動かないでくださいね!」 なんだこれは夢じゃない。 夢じゃないなら、 茶器に感謝しなくては。 「危なかった」 スポンサーサイト