工事契約において、以下の点を検討する必要があります。
(1) 履行義務の充足判定
・一定の期間にわたり履行義務が充足されるか一時点か
(2) 進捗度の測定
・進捗度を合理的に見積ることができるかどうか
・アウトプット法orインプット法の選択
・採用した測定方法が企業の履行義務の進捗度合を適切に反映しているかどうか
・進捗度を見積ることができない場合の原価回収基準の適用の検討
(3) 代替的な取扱い適用の検討
・工期がごく短い場合に該当するか否かの判定
・契約の初期段階の取扱いをどうするか
6.連結決算実務への影響は?
工事進行基準 収益認識基準 廃止
表2のいずれにも該当しない場合
⇒一時点において充足される履行義務
(文中Ⅱ. ) 収益認識
工事進行基準
⇒工事進捗度に従い、
一定の期間にわたって収益を認識
工事完成基準
⇒工事の完成・引渡し時の一時点で全ての収益を認識
Ⅰ. の場合
⇒履行義務の充足度合いによって、
Ⅱ.
工事進行基準 収益認識基準 違い It
1. はじめに
企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(以下、新収益認識基準)及び企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下、新収益認識適用指針)が、2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。これに伴い、企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」(以下、工事契約会計基準)及び企業会計基準適用指針第18号「工事契約に関する会計基準の適用指針」(以下、工事契約適用指針)が廃止されます。
第5回から第7回の「建設業における収益認識」では、新収益認識基準及び新収益認識適用指針の適用による影響について、3回に分けて解説します。本稿では、収益認識の5ステップのうち、(Step5)履行義務を充足又は充足するにつれて収益を認識する、に関連して、履行義務の充足と収益認識を行う期間、事後的に信頼性がある見積りができなくなる場合に関する論点を解説します。
(※画像をクリックすると拡大します。)
2.
工事進行基準 収益認識基準 ソフトウェア
(新収益認識に関する会計基準の解説)
参考 工事損失引当金について
収益認識基準には、工事損失引当金の会計処理もあります。
そのため、この点においても従来の処理から大きな変更はないものとなっています。
工事進行基準 収益認識基準 同じ
事後的に信頼性がある見積りができなくなる場合
事後的な事情の変化により成果の確実性が失われた場合、工事契約適用指針では工事完成基準を適用します。新収益認識基準では、発生する費用を回収することが見込まれるときには原価回収基準を適用し、その後の決算日に進捗度を合理的に見積もることができる場合には、一定の期間にわたり充足される履行義務について収益を認識します。
進捗部分に成果の確実性が認められる工事について、事後的な事情の変化により成果の確実性が失われた場合、その後の会計処理は工事完成基準を適用します(工事契約適用指針4項、16項)。
履行義務の充足に係る進捗度は、進捗度を合理的に見積もることができるか否かも含め、各決算日において見直します(新収益認識基準43項、154項)。見直しにおいて、契約における取引開始日後に状況が変化し、進捗度を合理的に見積もることができなくなった場合で、発生する費用を回収することが見込まれるときには、その時点から原価回収基準により処理します(新収益認識基準45項、154項)。その後の決算日に、進捗度を合理的に見積もることができるようになった場合には、一定の期間にわたり充足される履行義務について収益を認識します(新収益認識基準44項)。
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タグ: 収益認識基準 工事進行基準
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工事契約の会計基準は、収益認識の会計基準の適用によりどうなりますか? 来年から強制適用?収益認識基準の内容やメリットを解説!. 工事契約の会計基準は廃止されます。ただし、会計処理自体は従来のものから大きく変わるわけではありません。
解説
収益認識基準には以下の規定があります。
第81項の適用により、次の企業会計基準、企業会計基準適用指針及び実務対応報告は廃止する。
(1) 企業会計基準第 15 号「工事契約に関する会計基準」
(2) 企業会計基準適用指針第 18 号「工事契約に関する会計基準の適用指針」
(収益認識基準90項)
つまり、収益認識基準の適用により、工事契約基準は廃止になります。
よって、 工事は収益認識基準に従って処理する こととなります。
工事契約基準には、 工事完成基準と工事進行基準 があったけど、収益認識基準ではどうなるの? ボブの指摘のとおり、従来の工事契約基準では、
工事の 進捗部分についての成果の確実性 が、、、
認められる→工事進行基準
認められない→工事完成基準
となっていました。
成果の確実性が認められる場合とは、「工事収益、工事原価、工事進捗度の全部を 見積もれる 場合」です。
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対して、収益認識基準は 財又はサービスに対する支配が顧客に移転した時点で収益を認識 します。
この考え方は工事に限ったものではなく、 収益認識基準の根本的な考え方 じゃ
この支配が移転するタイミングには、下記の2つがあります。
① 一定時点 で移転する
② 一定期間 にわたって移転する
もし、その工事が ①ならば一定時点で収益を認識し、②ならば一定期間にわたって収益を認識 します。
①なら工事完成基準 のような感じで、 ②なら工事進行基準 のような感じってことじゃ
工事契約基準が廃止になったと言えど、会計処理が変わったわけじゃないんだね。ちなみに、一定時点か一定期間かは、どうやって判断するの? 収益認識基準38項では、 次の1〜3の いずれか の要件を満たすならば、「一定期間」に該当する としています。
企業が顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受すること
企業が顧客との契約における義務を履行することにより、 資産が生じる又は資産の価値が増加 し、当該資産が生じる又は当該資産の価値が増加するにつれて、 顧客が当該資産を支配する こと
次の要件のいずれも満たすこと
企業が顧客との契約における義務を履行することにより、別の用途に転用することができない資産が生じること
企業が顧客との契約における義務の履行を完了した部分について、対価を収受する強制力のある権利を有していること
例えば、 顧客の土地の上に建物の建設を行う工事契約 の場合、 2の要件を満たす ものと考えられます。
逆に言えば、「②の要件を満たすけど、工事進捗度を見積もれないから、工事完成基準を適用する」という選択はできなくなります。
(進捗度を見積もれない場合、 原価回収基準 を適用します)
原価回収基準を理解する!